教育心理学 ついに一歩目!
教育心理学とは
本について
- 作者: 依田新
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 1960
- メディア: ?
- この商品を含むブログを見る
この本では、教育心理学を教師の名人芸としてではなく、科学的に先人のノウハウを利用できる方針で教育を論じていくものである。おもに、今の自分が生徒である観点から読んだ。
P2 教育課程と教育活動
教育とは「人間の行動に望ましい変化を生じされるように意図された過程あるいは活動」である。
教師の教育活動は次のような三つの分野あるいは段階を持つ。
1. 教育目標を明確にする。
教育とは望ましい行動変化を作り出すことである。何が望ましい行動であるかということがまず明確になっていなければならない
2. 学習経験を組織する。
目標が決まったら、教師の仕事はその目的の方向に学習が成立するように環境をこしらえ、目的であるところの特定の行動変化が現れるようにすることである。
1. 望ましい反応を引き出す。
2. その反応が将来必要な場合に、容易に起こるようにその反応を強化する。
3. 不適切な、望ましくない反応を排除する。
3. 学習効果を評価する。
この評価に基づき生徒の野学習経験が絶えず修正される。
この後の章では、幼少期、低学年、高学年、中学、高校と分類され論理的に論じてある。
p183 第9章 生活指導
生活指導の心理学的問題
生活指導の重要な概念は、第一に個人の概念、第二には自己指導という考え、第三に民主社会の人間形成という考え方である。
p185 適応理論と心理学的診断・治療
適応の意義と過程
人間行動は適応のしかたとして考えられる。適応とは、環境とその中の個体との関係をかたることである。
問題行動
適応に関する問題行動を理解することは、生活指導の基本であるので、主な物について、発生のメカニズムをあげる。
1.攻撃(agression)-個人が直面する困難を克服しようとする欲求が阻止された結果である。例 喧嘩、物品の破壊、盗み
2.置き換え(displacement)-怒りの情緒や態度を表現することが社会的に許されず、そのはけ口がないとき、攻撃はその方向を他に転換される。 例 いじめ
3.抑圧(repression)-自我に脅威となるような観念や社会的に認められない願望を意識化に圧排することである。 例 健忘
4.逃避(escape)-自我が脅かされている場面から逃れることである。例 白昼夢
5.投射(projection)-自己の失敗や弱点に対する避難を他の人や物に向けさせ、また自己の不道徳的な欲望を他人の中に見出してそれを非難する。 例 人身攻撃(その主張自体に具体的に反論するのではなく、それを主張した人の個性や信念を攻撃すること、またそのような論法)
6.合理化(rationalization)-自己の意見・感情・状態などについて、本当の理由がかからないままに、つじつまを合わせる理由を見出すことによって、欲求や不安の緊張を解消することである。すっぱいぶとうとあまいレモンのメカニズムである。
7.反動形成(reaction formation)-抑圧された望ましくない感情や傾向が、表面に出ることを恐れて正反対の態度をとることである。例えば攻撃的傾向が強い人が、ばか丁寧な態度を示したり、厳校な道徳的態度を示す人が実は性的欲求不満を持ったりするなどである。
わかったこと、 問題行動の例と原因の関係が明確であり、整理して考えるのにいい。